2015年6月23日火曜日

人生に影響を受けた本『デザインの輪郭』

デザインの輪郭』は、今から約10年前に読んだ本です。当時、私はデザインの本質とは何か。を理解するために有名なアートディレクター・デザイナーが書いた本をたくさん読んでいました。『デザインの輪郭』もその一冊で、深澤直人さんが書いた本です。




深澤直人さんの代表作として有名なのが
±0「加湿器」/ au「INFOBER」 / 無印良品「壁掛け式CDプレイヤー」 などです。


この本で最も印象に残っているのは「24.デザインを頼む人」の内容で、デザインがどのようにカタチづくられていくのかを星座に例え書かれています。
実は、私の名刺やホームページのキービジュアルが「星座を見上げる二人」なのも、この本に出会ったことが大きく影響しています。

では、どのような内容なのかを私なりの見解を交えてお伝えします。
まず始めに「デザインを頼んでくる人は、はっきりとしたイメージをもっていない。」とあります。
これは当然のことで、はっきりとしないイメージをコンセプトをつくり、エンドユーザーに伝わるように具体的に落としこみ、視覚化するのがデザイナーの仕事だと思う。
まずは、依頼者とコミュニケーションをとり、デザインするモノに対する情報を全て集める必要があります。コミュニケーションをとることで依頼主自身が気が付かなかった情報に気づくこともあるし、もし依頼主が複数いるときには、その情報を共有することができる。
この情報を著者は星屑に例えています。

“星屑の中から必要な星だけを結び、浮かび上がる星座こそが「デザインの輪郭」でありデザインコンセプトとなるものです。”

もうひとつ星座を見せるときに大切なのは、同じ場所から同じ方向を見せる必要があることです。
いくら星座が見えるように説明しても、違う場所から見ていたり、違う方向を見ていたのでは、星座は分かりません。 

以前「人生に影響を受けた本『7つの習慣』』」の中で、起きている出来事をどのように捉えるかによって、同じ出来事でもまったく違った見え方になることをお伝えしました。
これはデザインをするときにも当てはまることで、モノをつくる側からの景色ではなく、モノを買う側がどんな場所からどのような景色を見ているのかを教えてあげることがデザイナーの役目だと思う。モノをつくる側は、思い入れもあり、どうしてもあれもこれも伝えたくなります。
でもモノを買う側にたくさんのことを伝えようとすると焦点がぼやけて印象に残らず結果的に何も伝わらなくなります。

例えば5つの特徴全部が大事だからもっと大きく載せてくれ。と言われると紙面で文字は大きくなりますが、すべて同じように大きくなっているので、あまり意味がありません。逆に2つだけを大きく載せて、残り3つは載せない、もしくは小さく載せるなどのメリハリを付けてあげると情報が整理されモノを買う側の人に伝わりやすくなります。

* * * * * * *
同じ場所で同じ方向を見上げて
星屑の中から必要な星だけを結び、浮かび上がる「星座」

エンドユーザーと同じ場所で同じ方向を見て
無数の情報の中から必要な情報だけを結び、浮かび上がる「デザインの輪郭」
* * * * * * *

デザイナーは、何もないところからデザインを生みだす。と一般の方に思われがちですが、決してそんなことはなくて、モノに関する無数の情報の中から必要な情報だけを抽出してデザインコンセプトをつくり上げています。

深澤直人さんの伝える力によって「デザインとは何か。」を分かりやすく伝えた『デザインの輪郭』。特にデザイナーになりたての方にはぜひ読んでもらいたい一冊です。


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2015年6月3日水曜日

人生に影響を受けた本『7つの習慣』 その2

7つの習慣』では、「パラダイムシフト」について一度読んだら忘れられないすばらしい内容で紹介されています。 
その中から私が特に印象に残っている2つをご紹介します。 

1つ目は「女性の絵」 です。 
小中学校の美術の教科書にも載っていた気がするので、知っている方も多いと思います。 
下の絵をご覧ください。 


女性が描かれた絵です。 
年齢はいくつくらいでしょうか? 
70歳くらい? それとも 30歳くらいでしょうか? 
実は、見た人によって初めは片方の女性しか見えないだまし絵になっており、 
どこに視点を置くかによって老婆にも若い女性にも見えます。 
(片方しか見えない方は、老婆の目を耳に口をネックレスとして見てみてください。) 
1つの出来事に対して見る視点を変えることでいろいろな見え方あることを絵で表現した忘れられない内容のひとつです。 


2つ目は「電車の車内」でのお話です。  
以下そのまま抜粋しております。
・・・・・・・ 
電車の車両内の乗客はまばらで、皆、おとなしく座っていた。 
ある人は新聞を読み、またある人は、目を閉じて物思いにふけり、車内は穏やかで平和な空気が漂っていた。 
そこに、ひとりの男性が子供たちを連れて車両に乗り込んできた。 
子供たちは車両に乗り込むや否や、大声で騒ぎまくった。  
その子供たちのために、平穏で静かな電車(車両)内の空気は一瞬で破られ車両内は騒々しい場所に変貌した。  
しかし、騒いでいる子供たちの父親は子供たちが騒ぐ様子に全く関心を示さず子供たちの迷惑千万な行動を怒るわけでなく、ただじっと目をつぶっていた。 
子供たちは興奮している様子で大声を出したり、ものを投げ散らかしたりして、いっこうに、おとなしくなりそうにない。 
それなのに父親らしい男性は、何もしようともせず、目を閉じたままだった。 
私は、この情況に次第に苛立ち、その男性の無責任な態度に平静を保てなくなっていった。 
周りの乗客も同じようにいらだっている様子がわかる。 
非難の目を皆がその男性に浴びせかけているようだった。 
私はとうとう我慢できなくなってその男性に向かって 
「あなたのお子さんたちが騒いでいて他の乗客の迷惑になっているようです。 
 なんとか、できませんか?」と忠告してみた。 
その男性は目を開けると、まるで初めて子供たちや周囲の乗客の様子に気がついたようでその男性は 
「ああ、ああ、そうですね。(子供たちを)大人しくさせないと、、、 
 実は、たった今、病院から出てきたところなんです。 
 少し前に妻が、あの子たちの母親が亡くなったものですから・・・・。 
 いったいどうすればよいのか。あの子たちも、ひどく動転して取り乱しているようで、、、」 
その瞬間の私の気持ちが想像できるだろうか。 
私のパラダイムは、一瞬にして変わってしまった。 
突然、今の状況を全く違う目で見ることができた。 
全く違って見えたから、全く違って考えることができ、全く違って感じ、そして全く違って行動できた。 
今までの苛立ちは一瞬にして消滅した。 
自分の行動やイライラした気持ちを無理に抑え込む必要もなくなった。 
私の心には、その男性の痛みが、胸いっぱいに広がった。 
「奥さんが、お亡くなりになったのですか。 
 そうでしたか・・・。私に何かできることはありませんか?」 
一瞬にして私の全てが変わった。 
・・・・・・・  

いかがでしょうか・・・。 
私は初めてこのエピソードを読んだときの衝撃は今でも忘れません。 
誰もが経験したことある電車内の出来事だけに強く印象に残り、私自身の周りを見る目、他人の意見を聞くときの捉え方に「パラダイムシフト」が起こった瞬間でした。 

みなさんがみている「現実」については、実はそれぞれが違う現実を見ている。と耳にすることがあります。 
昔なら疑っていた言葉だと思います。けど今は、その通りだと自信を持って答えることができます。 
7つの習慣』と出会えたおかげで、この言葉の意味をより深く理解できるようになれたと思います。 
まだ読んだことのない方には、ぜひ読んでもらいたい一冊です。 
読んで損をすることは絶対ないと思いますよ。 



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